その日は朝から雪が降っていた。 分厚い灰色の雲からたくさんの雪達が、世界に降りては白く残らず、水となって大地へと帰っていく。 彼女は街のシンボルとなっている高いタワーの展望台にいた。 一面ガラスのその場所で、彼女は降りてくる雪達を見上げ、そして、呟く… 「まるで、空へと昇っていくみたい…」