あわてて涙を拭いながら、こんな遅くまで仕事をしていた加藤を呼び出してしまった自分を恥ずかしく思った。 「ほんとに、ごめんね…。」 加藤は茉莉花の冷えた手を両手で包んだ。 「謝らなくていいよ。 場所を変えようか。」 「うん、でも、」 「何、言って。」 「…人の多いところは。」 「ちょっと寒いけど、とりあえず近くの公園でも行こうか。」 茉莉花が頷くのを確認して、加藤は歩き出した。 手は繋がれたままだった。 加藤の手は暖かかった。 また涙が出そうになる。