要君に連れられて、近くの綺麗な美容院に入った。

中には誰も居なくて、照明が輝いていた。

「ここ、俺んち。」

「え?」

間抜けな声が出た。

ビックリした。

こんな綺麗なとこがお家だなんで、私と全然違う・・・。

私と正反対の人だな、って悲しくなった。

「ここ座って。」

「え、要君が切ってくれるの?」

「うん。最初から言ってたじゃん。」

笑いながら言った。



要君は私の髪を切りながら、たくさん話してくれた。


幼稚園で女の子にボコボコにやられた話。

小学校のマラソン大会でビリだった話。

中学校で高校受験について親と大喧嘩した話。

高校1年のとき荒れてて、なんども入退院を繰り返した話。


今はだいぶ落ち着いたよって笑って言ってた。

でも、要君の話は最近になるにつれ暗くなっていった気がした。

要君の顔も、どこか悲しげだった。

最後の仕上げの時には、要君は喋らなくなった。

今にも泣きそうな顔をしてたけど、私は見なかったことにした。


私まで泣いてしまいそうだったから。