「太郎戻ってきたよ。」

「香澄。元気だったか?」

「うんうん。
毎日泣いて過ごしていた。

太郎が居ないから
成績も上がらなくって
怒られもした。」

「俺もだ。
香澄が居なくなったときから
毎晩泣いて過ごした。

オヤジや母親が
俺を心配して見合い話まで
用意した。

けど全て断った。
俺には香澄。
お前しかダメなんだよ。

お前が離れてよく分かった。」

「私もだよ太郎。
私は素直になれなかった。
あの時汚されて死のうと思った。

けど太郎が
抱きしめキスをしてくれた。

あの時みたいに素直になれたら
こんな事にならなかった。

私も離れて初めて気づいたの。」