「本当は香澄が生まれた時
家に手紙が来た。

お前には黙っていたが
良子の病気も知った。

良子は俺には言わず、
親友の明子ちゃんに
頼んだ事を後で知った。

亡くなる前に手紙が来て
明子ちゃんに香澄を頼んだ。

そちらに香澄を預けると
私の二の舞になってしまうと
書いてあった。

香澄。あの家で・・。
幸せになりなさい。」

祖父が言ってくれた。

母は幼い時から
習い事をさせられ
祖母は母をお嬢様に
させたかったが

母は嫌になった時に
父と出会い駆け落ちをしたと
教えてもらった。

私は今日この家を出た。