去年の夏

暑くてだるい高校の説明会

あのときはモデルの仕事が波に乗り出して、併用してやってくなら専門の高校をすすめられてたんだけど
普通の公立の高校と迷ってたんだ

だってアタシはアタシで

ずっとモデル続けていくかなんてわかんないし

普通に高校行って

友達とプリクラとったり

マック行ってカラオケいったり

それにまだ15歳だし

恋だってしたかった

雑誌に載って周りがチヤホヤするたび
告ってくる男の子が信じらんなくなった

アタシのどこが好きなの?


私あなたのこと初めて見たんですけど?

みたいな人から告れても心も気持ちも、なんも動かないよ




でも出会ったんだ
運命の人に



長くてカッタルイ説明会を抜け出して、私は校庭の大きな葉桜の木下に寝転んだ

夏の風が気持ち良くて私はウトウトしていた


そんな時だった

[バッバッバッバッバッバッ]
低音のバイクの音


「マジありがとな!後でおごるわ!」

そう言ってバイクからメットを外して
彼は走っていった


[・・・・・寝坊か?]
アタシはそう思い、また寝ようとした。
そんなとき
「ガタタタタタタ!!!!」

彼は坂上から派手にこけていた 笑

そしてなんだか地面にはいつくばって何かを探してる様子だった


鞄の中身も全部でてるし
制服も髪も砂だらけだし
なんかほふく前進してるし


なんかほっとけなくて側に近寄ったんだ

「どしたの?」
これが初めてアタシが彼に言った言葉だった