マンションの静香の家辺りを見上げる。
この二年、一度も行ってないあの部屋。
そこで、静香と晶人さんが何をやってるか。
……暴力だけやない。
はっきり聞いた事なんか無いけど、ウチらかて子供やないんやから想像くらいついてる。
「今日は休み、だな」
「それは…」
ウチらの間に横たわる暗黙のルール。
それは、久我家には近付かない、ただそれだけのこと。
行かんって約束があるわけでも、近付くなって釘をさされてるわけでもない。
けど、ウチらは久我家には近寄らへん。
あそこにはウチらが知りたくない静香がいて、見たくもない薄汚い男がいてる。
あの家で静香がどんな目にあってるか知ってて、でも静香が望んでそんな目にあってるのも知ってる。
せやから、ウチらは目を、耳を閉ざす。
その為のルール。
けど、
「なぁなぁ、桂」
マンションの中ほどの久我家を見上げたまま桂を呼ぶ。
この二年、一度も行ってないあの部屋。
そこで、静香と晶人さんが何をやってるか。
……暴力だけやない。
はっきり聞いた事なんか無いけど、ウチらかて子供やないんやから想像くらいついてる。
「今日は休み、だな」
「それは…」
ウチらの間に横たわる暗黙のルール。
それは、久我家には近付かない、ただそれだけのこと。
行かんって約束があるわけでも、近付くなって釘をさされてるわけでもない。
けど、ウチらは久我家には近寄らへん。
あそこにはウチらが知りたくない静香がいて、見たくもない薄汚い男がいてる。
あの家で静香がどんな目にあってるか知ってて、でも静香が望んでそんな目にあってるのも知ってる。
せやから、ウチらは目を、耳を閉ざす。
その為のルール。
けど、
「なぁなぁ、桂」
マンションの中ほどの久我家を見上げたまま桂を呼ぶ。


