唐揚をつまんだ手の先を追いかけ、振り返ると…… 「市橋~っ! おまえ、許可なく食うなっ!」 「江田のものは俺のものっ。いただきまーす」 「ふざけんなよっ」 ……出た。 市橋くんだよ。 「江田って、料理うまいんだなぁ。すっげーうまい。この唐揚」 「ばーっか! それは俺が作ったんだよ! 梓ちゃんが作れるわけないだろ?」 ……は? あたしが、作れるわけがない、ですと? 「なんだよ、おまえが作ったのかよ。あぁ、なるほど。江田が作った唐揚には劣るなぁ」