「もうさぁ、過去のことはいいから。とりあえず唐揚食べなよ」 「……うん」 あぁ、だけど……。 考えようによっちゃ、武人の経験は逆にありがたいのかもしれない。 二人そろって初めてですーってなれば、当然、手順なんかも分かんないわけだし。 …………。 …………。 もう、やめよう。 こんなことばっかり考えていたら、頭のなかがおかしくなりそう。 「おっ、おいしそうだなっ」 お弁当を食べていると、後ろからそんな声が聞こえてきて、あたしの真横からニュッと手が伸びてきた。