なんだかその顔がかわいくて。 そして、すごく愛しく思えて。 さっきまで泣いていたくせに、あたしも続けて立ち上がり、後ろから武人に抱きついた。 「武人、大っ好き!」 こういう時はさらりと「好き」なんて言えるあたしは、本当に調子がいい。 「……武人?」 このあたしが、何の要求もなしに「好き」と言っているのに。 武人はまったくの無反応だ。 「……ごめん。ちょっと、くっつかないでくれる?」 「……は?」 くっつくな? なにそれっ!