恋*クル〜2nd〜



残されたあたしと、武人。

立っている位置は未だ変わらなくて。

視線も会話も絡まず、ただ突っ立っていた。



「……まったく」



武人が溜息まじりにボソリと呟いて、ようやく動き始める。



「どうぞ」

「……おじゃまします」



鍵を開け、続いて勢いよくドアを開ける武人は、愛想笑いひとつしない。

あたしは見ず知らずの人の家に初めて入るような感覚で、身を縮めて中に入った。