恋*クル〜2nd〜



「あ、もしもし? 信一くんっ!?」



大股でズンズン歩きながら、あたしは携帯を取り出し、信一くんに電話する。


市橋くんに対する怒りと、武人に対する苛立ちと不安。

とにかく誰かにぶつけたくて。

咄嗟に、信一くんの顔が浮かんだ。



『ど、どうしたんですかっ?』



怒り口調で電話をかけてきたあたしに、信一くんが動揺している姿が目に浮かぶ。


確か今の時間って、高校生はお昼休み……。



「今すぐ、T大前にあるファミレスに来て! ……って言うか、来いっ!」



信一くんが通っている江南高校は、あたしたちの大学に近い。

命令するあたしに、信一くんは生意気にも反抗してきた。



『無理っ! 俺、まだ授業あるしっ』