「……ねぇ、梓」 「うん?」 メール画面に文字を打ち込んでいた麗が、ふと、あたしに話しかける。 「武人くんとは……やっちゃったの?」 「……はっ!?」 なにをいきなり……。 声を上げたきり言葉を失ってしまったあたしを、麗はじろりと横目で見た。 「まさか……、まだ、とか?」 「……う、うん」 「……付き合って何年?」 「もうすぐ二年……だけど?」