「う~ん、やっぱいまいち。あんたが作った唐揚の方がおいしいわね」

「だろっ? だろ~??」

「ちょっと! 人の話聞いてんですかっ!?」



ヒステリックなオバサンのように、信一くんはテーブルを拳でドンと思い切り叩く。



「だいたい、なんだってこんな態度でかい人と付き合う気になったんですかっ?」



ネチネチと言う信一くん。

あたしはズイ、と、テーブルの上に身を乗り出し、その生意気な口を片手で掴み上げた。



「あんた、誰に向かってそんな口利いてんのよ」

「はっ……はひっ??」

「あたしが麗の親友だってこと、忘れたわけ?」

「ひっ、ひえっ」



口を掴まれたまま首を横に振る信一くん。

それを見て、あたしは勝ち誇ったように笑い、ソファに座りなおした。