「メシできたから、テーブルに運んでって言ってるのに」 武人の部屋で、膝を抱え込んで座ったままのあたしに怒り心頭だ。 まるで、手伝いひとつしない亭主関白な夫と、それにイライラしている妻みたい。 「あ、あぁ、ごめん」 立ち上がってキッチンに行き、お皿に盛られた料理に手を伸ばす。 今日はグラタンかぁ……。 あ、しかも、あたしの大好きな唐揚が、おまけ程度にあるっ。 さすが武人。 あたしのことを…… ……うん??? 「ねぇ、武人……。このピンク色のものは……」