あれから市橋くんは、希望どおり第一志望の高校に合格して…… 「……ちゃん……」 それっきりになってしまったんだよね。 「おい……、梓……」 あれから四年かぁ…… 市橋くん、昔よりさらにカッコよくなっていたなぁ…… 「梓ぁぁぁっっ!!!!」 「うわっ! な、何よ、いきなり大きな声出さないでよっっ」 市橋くんとの淡い思い出に浸っていたあたしは、武人の大声でいきなり現実に引き戻される。 ……武人と一緒にいるのに、市橋くんのことを考えていたなんて。 あたし、かなり最低かも……。