“もうすぐ受験だし……” 初めてのキスをした二ヶ月後。 三年生に進級した春。 あたしは、市橋くんから別れを告げられたんだ。 受験に専念したい。 どうしても、受かりたいから。 あたしは市橋くんをすごく好きで。 勉強の邪魔なんか絶対にしないから。 大好きな市橋くんの高校合格がかかっているんだと思うと、あたしは自分の気持ちをさらけ出すことができなかった。 “うん、分かった” あたしは、笑顔で、別れを受け入れたんだ――……