今だって。 莉子を飛び越えて、あたしを見据える武人の真っ直ぐな視線。 心臓がドキドキとうるさく鳴り続けている。 きっと今のあたしは、耳まで真っ赤になっているに違いない。 武人は、視線を少し下げる。 そして今度は、莉子の顔を見て、穏やかに笑いながら言った。 「――莉子。パパとママみたいに、いい恋しろよ?」 ――fin――