あたしたちがバッと勢いよく離れると、莉子がむくっと身体を起こして武人に言う。 「ちょっとパパ? あたしに先にちゅーしなさいよ」 「は、はは……」 あたしそっくりな性格になってしまった莉子に、武人はいつもタジタジだ。 傲慢な態度で唇を突き出す莉子に、武人は軽くキスをする。 でもやっぱり、あたしの娘。 それで納得するはずがない。 「は? なに今のちゅー。ママとしてるのと同じちゅーしてよ!」 「……いや、それはちょっと……。……て言うか、なんで知ってんだよっ!?」