「今はこんなに小さいけど、あっという間に大きくなるんだって。信一が言ってた」 「……へぇ……」 「この木が、あのCMくらいの大きさになるまで、俺は梓と一緒にいるから」 「いったい……何年かかるのよ」 「さぁ? 軽く100年はかかると思うよ」 その頃はあたしたち死んでるし。 呆れたようにあたしがそう言うと、武人はにこりと笑って言葉を返した。 「じゃあ、天国で一緒に見守ろう――」