部屋に通された武人は、いつもの定位置であるソファに姿勢正しく座る。 “話がある” 武人はそう言ったきり、口を固く閉ざしている。 話の内容なんて、だいたい分かってる。 今日、市橋くんと何を話したのか。 きっと、そのことに違いない。 でも、話の締めくくりまでは想像がつかない。 “別れよう”なのか。 “もう一度やり直そう”なのか。 それとも、もっと別の選択なのか。