このまま時間が過ぎていって。 ある日突然、武人が、 “梓ちゃーん!” なんて、何事もなかったかのように来てくれたら。 そんな、都合のいいことをふと考えてしまう。 本当に、そうなればいいのに。 市橋くんとのことは、帳消しにしてくれたらいいのに。 武人の冷たい視線に、胸がズキズキ痛む。 素っ気無い態度に、涙がこぼれそうになる。 すべては、 あたしの自業自得でもあるのに――……