恋*クル〜2nd〜



「信一くんは何とも思わないの? 不倫なんだよ?」



厳しいツッコミを入れると、信一くんは眉間に皺を寄せ、キュッと下唇を噛み締める。


すっかり氷の融けたアイスコーヒーをストローでかき混ぜながら、あたしは信一くんの答えを待った。



「……麗さんの、好きになった人だから」



待ち続けた答えは、あたしが望んでいるものじゃない。


そんなの、キレイごとだよ。


“好きになった人が、結婚していただけ”

“別れたくても、別れられない”


どれだけ思いが深いものか、あたしにだって分かる。


でも、その傍らで、傷つき苦しむ人だっているんだ。