同窓会に行ったことを“心配だった”って言うから。 てっきり市橋くんのことかと思って……。 「市橋の名前がすぐに出てきて、梓、すごく動揺してたよな」 「………」 「市橋と……そういうことになったわけか」 呆れたように、武人は呟く。 いっそのこと、思い切り罵ってくれたほうがまだマシだ。 怒りに任せて殴られた方が、まだいいのかもしれない。 あまりにも冷静な態度だから、あたしは黙っていることしかできない。 「――梓。どうなんだよ」 冷ややかな顔で、武人はあたしを見据える。