「なに……?」 あたしの後ろ髪は、肩につかない、結べるか結べないかの微妙な長さで。 自分の首の後ろなんて、ここ最近、見たことがなかった。 「……鏡で見てこいよ」 力なく呟く武人。 おそるおそる振り返ると、武人はあたしを見ようとせず、俯いていた。 首筋を押さえながら洗面所へと向かったあたしは、三面鏡になっている両サイドの鏡を引き寄せ、首の後ろを見る。 「―――っ!!」 後ろ髪に隠れていた、その部分には。 うっ血したような小さな痕が、うっすらと残っていた。