少しの沈黙のあと、武人が後ろからあたしをキュッと抱きしめてきた。 「……大丈夫?」 耳元で、武人はそう優しく聞いてくる。 落ち着いた低い声に、全身がゾワゾワと逆立つ。 コクリと無言で頷くと、武人はあたしの耳たぶに優しく歯をたてた。 「……っ……」 ゾクリとして、肩を一瞬すくめる。 でも、武人の動きは止まらない。 耳たぶからゆっくりとあたしの首筋へと移動していく、武人の温かい唇。 手際よく、首を隠すようにして伸びたあたしの髪をかきあげ、武人は唇を這わしていく。