市橋くんと関係をもってしまった日の夕方。
約束の六時ちょうどに、武人があたしのアパートにやって来た。
「梓ちゃんは二日酔いだからお粥~」
武人はキッチンで楽しそうにお米をといでいる。
あたしはその後ろ姿を、ベッドにちょこんと座って眺めていた。
「……同窓会、どうだった?」
お米と水を入れた鍋を火にかけてすぐ、武人が突然、そんなことを訊いてくる。
「うん、楽しかったよ」
「そっかー。梓ちゃんから連絡くるかなーって思って待っていたんだけどさ、なかったから。よっぽど楽しかったんだろうなって思ってたよ」


