ふと視線を上げれば、ベッドの上が乱れたままになっていて。 あたしの服が足元に散乱している。 涙を拭ったあと、あたしは浴室に行き、シャワーを浴びた。 頭のてっぺんから、足のつまさきまで。 すべてを消すかのように、丹念に洗い上げていく。 洗っては流し、洗っては流し……。 完全にキレイになったはずなのに、それでも足りない。 どんなに洗い上げても、消すことなんかできないんだ。 あたしと市橋くんが関係を持ってしまったことは、事実なのだから――……