恋*クル〜2nd〜



涙がどんどんあふれてきて、次から次へと頬を伝い、ベージュ色の布団の上にポタポタと零れ落ちる。



「……そんな深刻になるなよ。“あ~あ、やっちゃたよ”くらいに考え……」

「あたし……、武人とまだ……していないのに……」

「え――……」



それまで一夜の過ちを軽く考え、ふざけて笑っていた市橋くんの動きがぴたりと止まった。



「武人が……初めての相手になるはずだったのに……」



同窓会なんて、行かなきゃよかった。

周囲に乗せられても、お酒なんか飲まなければよかった。

真っ白になった頭のなかで、絶え間なく渦巻く後悔の念。


どんなに泣いても、どんなに後悔しても。

消し去ることなんかできない、事実。



「――マジで……ごめん……」



声を押し殺して、肩を震わせながら泣くあたしに、市橋くんは静かな声で言った。