涙がどんどんあふれてきて、次から次へと頬を伝い、ベージュ色の布団の上にポタポタと零れ落ちる。
「……そんな深刻になるなよ。“あ~あ、やっちゃたよ”くらいに考え……」
「あたし……、武人とまだ……していないのに……」
「え――……」
それまで一夜の過ちを軽く考え、ふざけて笑っていた市橋くんの動きがぴたりと止まった。
「武人が……初めての相手になるはずだったのに……」
同窓会なんて、行かなきゃよかった。
周囲に乗せられても、お酒なんか飲まなければよかった。
真っ白になった頭のなかで、絶え間なく渦巻く後悔の念。
どんなに泣いても、どんなに後悔しても。
消し去ることなんかできない、事実。
「――マジで……ごめん……」
声を押し殺して、肩を震わせながら泣くあたしに、市橋くんは静かな声で言った。


