「なんで……市橋くんが……」
身体を起こした市橋くんも、やっぱり服を着ていない。
筋肉質の胸板を隠すこともせず、市橋くんはボーっとした顔で頭をぽりぽり掻いている。
「あ、おはよう」
「お、おはようじゃないわよっ! 何これ、どういうことっ!?」
呑気に朝の挨拶をする市橋くんは、この深刻な状況をまるで気にもしていない。
「……昨日のこと覚えていないのか?」
眠そうに欠伸をしながら市橋くんは言う。
「みんなに乗せられて焼酎を二杯飲んだだろ?」
「……うん。それは覚えてる……」
「その直後にダウンしたんだよ」


