-恐怖夜話-


確かめなければ。


そんな義務感のようなモノに突き動かされて、私は、ゆっくりと個室の方へ足を向けた。


1つ目、


意を決して覗き込んだが、誰もいない。


2つ目、


やはり、誰もいない。


そして、3つ目――。


『誰かが入っている』、一番奥の個室の前まで来たとき、『ギィッ』っと低い軋み音を上げてドアが開いた。


心の中の黒い波紋が、ザワザワと波立っていく。


どうして、水を流す音がしないのだろう?


どうして、人の気配がしないのだろう?


静かに開いていく、ドアの向こう側。


そこには、


誰の姿も無かった。