-恐怖夜話-


高台にある高校から、最寄りの駅までは徒歩で20分ほどの道のり。


だんだんと、賑やかになってくる薄闇に包まれた町並みの中を、私たちは、ただ黙々と駅を目指した。


いつもなら、他愛のない話で盛り上がりながら、あっという間に過ぎてしまう時間が、今日ばかりはやけに長く感じる。


気にしないようにしているつもりでも、やっぱり『あの写真』のことが気になって仕方がない。


無言で足を進める雅美と若菜も、たぶん同じ気持ちなんだろうと思う。


それにしても、あの写真の女の子。


彼女は本当に、ただの通りすがりに悪戯で写真に入ったのだろうか?


もしそうなら、そんな茶目っ気のあるような子なら、もっと明るい表情で写っているんじゃないのだろうか?