「何してるの?」 朗らかな声と共に、入り口から顔を覗かせたのは、担任の山吹礼子先生だった。 いつも、明るく元気。 ショートカットに丸顔の、とても愛嬌がある体育会系の先生で、生徒にも人気がある。 「もうとっくに下校時間は過ぎたわよー」 「せ、先生ーっ!」 いつもと変わらないきびきびした明るい声に、私たちの悲鳴のような声が重なり、 「何、どうかしたの?」と訝しげに眉を寄せた先生は、闊達な足どりで歩み寄ってきて、写真の散らばった机の上に視線を落とした。