-恐怖夜話-

 
「こ、これってまさか……」


―心霊写真じゃないよね?


私は、喉元まででかかった言葉を飲み込む。


言葉にしてしまったらそれが現実になりそうで、


この言いようのない恐怖心が暴走してしまいそうで、怖かった。


そして、その『怖い写真』を自分がずっと握りしめていたことにやっと気付き、「きゃっ!」っと小さな悲鳴を上げて、掴んでいた写真を机の上に放り投げた。


持ったままでいると、何かが乗り移ってきそうな気がしたのだ。


乗り移る?


私はなんでそんなフレーズが浮かんだのか、ふと不思議に思った。


その時だ。


がらり!


勢いよく入り口の扉が開いて、私たち三人は小さな悲鳴を上げながら身を竦ませた。