-恐怖夜話-



確かに雅美の言う通り、写真に写っているのは、通行人を省けばこの三人の中の組み合わせしかない。


他の『誰か』を交えて撮った記憶は、全く無かった。


「じゃあ、これ……。私たちの後ろに写っているこの女の子、誰……なの?」


呟く雅美の声は恐怖で掠れ、震えている。


その恐怖が伝染してしまったのか、三人は一様に、金縛り状態のぎこちない動作で、私が握りしめたままの写真に目を向けた。


薄曇りだったので、確かに昼間なのにフラッシュがついたと思う。


滝の細かい雫だろうか、無数の丸い光が画面一杯に散らばっている。


左から、痩せぎすで背の高い、ショートヘアの雅美。


真ん中が、中肉中背で、肩口までのストレートヘアの私。


右端が、少しぽっちゃり体型で、セミロングの若菜。


その雅美と私の間に、『もう一人いる』。