「何、これぇ!?」


放課後の教室で、向かい側に座っていた雅美が、すっ頓狂な声を上げた。


その場に居たのは、雅美、若菜、そして私・リエの三人。


気の合う友人どうしで、京都への修学旅行で撮った写真を持ち寄って、焼き増しする枚数を書き出している時だった。


机を三つ寄せて、めいめいに『あの時はこうだったなぁ』などと思い出に浸りながら楽しく写真鑑賞をしていた。


そんな和気藹々とした空気を裂くように、雅美の声は、クラスメイトたちが帰ったガランとした教室の隅々に響き渡った。


あまりの声の大きさに驚いて、私と若菜は思わず顔を見合わせる。


「雅美、どうしたの?」


私が声をかけると、雅美は顔面蒼白でぶるぶる震えていた。