-恐怖夜話-


こつ、こつ。


こつ、こつ、こつ。


こつ、こつ、こつ、こつ。


だ、だめだ、動けないっ!


迫り来る恐怖から逃れようと、ギュッと目を瞑ったつぎの瞬間。


パパーッ!


耳をつんざくようなクラクションの音が夜の静寂に鳴り響き、俺はビクリと身を強ばらせた。