-恐怖夜話-


本音を言えば、新品の方が良いに決まっているけど、しがないアルバイト生活では大した貯金があるわけでもなく、『人の使った物が嫌』と言うほどの潔癖性でもない。


『これで良しとしよう!』と、私は自分を納得させた。


二階の東の角部屋。


日中は日当たりも風通しも抜群で、内装も綺麗にリフォームされている。


「うーん、これが我が城かぁ」


私は玄関で腰に両手を当てて、改めてしみじみと室内を見渡した。


六畳の洋室プラス四畳半の和室。


決して広くはないけど、初めての一人暮らしには十分だと思った。


なんて言っても、マイルーム!


文字通り、『私の部屋』なのだ。


思わずニヤケてしまうのは、仕方がない。