-恐怖夜話-


画面が切り替わる。


同じ薄闇のなか、神社の階段の上で二つの影が言い合いをしている。


「子供が出来たの。香織と別れて、私と結婚して!」


髪を振り乱し、そう叫んでいるのは沙希だ。


「冗談じゃない。一度だけと言う約束だっただろう!? 俺は香織と別れるつもりはない!」


東悟が、にべもなく沙希の手を振り払う。


「いやよ! いやっ! 香織にばらしてやる。一切合切何もかもぶちまけてやる!」


「沙希!」


神社の急な階段の上、もみ合う二人――。


「きゃぁああぁああぁあっ!」


耳をつんざく、沙希の悲鳴――。