-恐怖夜話-


そんなはずがないと、理性では分かっている。


早苗ちゃんが六歳の時行方不明になってから、すでに十三年の月日が流れているのだ。


今、生きていれば、早苗ちゃんは十九歳のはずだ。


どう見積もっても、この少女は十歳を超えているようには見えない。


生きて……いれば?


私は、彼女の死を無意識のうちに肯定している自分の思考に慄然とした。


少女はそんな私の心を読んだかのように、邪気の無い笑顔のまま恐ろしい話しを始めた。


『そうよ、私は早苗。十三年前、殺されて埋められちゃった、可哀相な早苗ちゃん』


「え?」


殺された!?


「香織、相手にするんじゃない!」


鋭く言い放った東悟に、私は腕を掴まれ強く引かれた。


「東悟っ?」


抗う間もなく、そのまま抱きすくめられる。


上背のある東悟に抱え込まれてしまうと、私にはもう何も見えない。


「東悟っ!」


「あれは、生きている人間じゃない。相手にしては駄目だ!」


「で、でもっ」