-恐怖夜話-


『なにバカな事言ってるのよ!』


いつもの私なら、そう言っているだろう。


でも私には、東悟の言葉が真実だと分かってしまった。


あの白い細い腕。


その手首の内側にある三つならんだ小さな黒子、あれは確かに沙希のものだ。


あの白い手が、生きている人間のものであるはずがない。


ならば、その手の主は――。


――クスクスクス。


不意に背後で楽しげな笑い声が上がって、私達は二人同時に振り返った。