「おばさん……」 私もそれ以上、言葉を続ける事が出来ない。 「沙希が、帰って来ないの。早苗と同じに、帰って来ないのよ」 おばさんの硬く握られた筋張った手の甲に、涙の滴が一つ二つとしたたり落ちる。 声を殺してむせび泣くその姿に、私は掛けるべき言葉が見付からなかった。 でも、聞かなければ。 私は意を決して、口を開いた。 「おばさん、沙希の携帯電話は何処にあるんですか?」 沙希の携帯電話のメールの送受信データ。 多分、そこに何か答えがある。 私は、そう確信していた。