無理もない。
唯一残った娘の失踪と、家の火事。ショックを受けない方がどうかしている。
それにしても沙希。
実家の一大事に、あなたは何処にいるの?
クスクスクス。
心の中で逡巡する私の耳に、また子供の笑い声が聞こえて、慌てて花壇に目をやった。
「どうした香織?」
「声……がした」
「声って? 誰の声?」
聞こえていないのか、東悟は訝しげに眉をひそめている。
私は声の主の姿を見つけようと、一心不乱に花壇の中に目を凝らした。
でも。
ユラリ、ユラリ――。
そこには、風に吹かれてユラユラと揺れている向日葵の姿があるだけだった。



