-恐怖夜話-


「脅かすなよ香織。びっくりするじゃん」


目を丸くして、東悟が声を上げる。


「それは、こっちのセリフだよ。心臓が止まるかと思ったじゃない、もうっ!」


安堵感が軽い怒りに変わり、思わずバチンと東悟の胸を叩いた。


「悪い悪い。家に着くなり、沙希ちゃんの事を聞いて驚いて飛んで来たんだ。お前もか?」


「うん。そうなんだけど……。これ、どういう事? 火事になったの?」


「ああ。昨夜、失火だそうだ」


失火?


沙希の失踪と何か関係があるのだろうか。


「おじさんや、おばさんは!?」


まさか。


「心配ない。二人とも無事だってさ。ただ……」


口ごもる東悟のセリフに、嫌な予感が胸を掠める。


「ただ?」


「ショックで、おばさんが入院してるらしい」


「おばさんが……」