翌朝。
私は、お風呂で溺れかけているところを発見された。
約束の時間になっても食事に現れない私を呼びに来た真次くんが、いくらインターホンを押しても部屋から出てこないことに異変を感じて、管理人に連絡して鍵を開けてくれたのだ。
なみなみと張られた浴槽の水に、後少しで溺れそうな体勢で私は浮いていたそうだ。
もし真次くんが機転を効かせてくれなければ、たぶん私は、今頃この世にいなかっただろう。
そのあと、私は四十度の高熱を出して肺炎をおこしかけ、病院に入院した。
三日三晩苦しんだ後、熱は嘘のように下がった。



