-恐怖夜話-



「う……ぐっ……」


喉を締め上げられて、視界が白くかすむ。


空気を求めてぱくぱくと開けた口に、そして鼻に、髪の先端がずるりと潜り込んでくる。


猛烈な吐き気が込み上げてくるけど、どうにもならない。


ぴくりとも動けず、もう、呻き声すら出なくなる。


死……ぬ?


私、死ぬの?


じわりと背筋に、冷たいモノが這い上がってくる。


そんなの、イヤ。


そんなの、絶対イヤ!