-恐怖夜話-



ダメ。


ニゲナクテハ、ダメ。


酷く緩慢な思考の中で、私がそう思ったとき、不意に集まる髪の動きが止まった。


すうううぅううぅううっ。


音も無く、


黒い固まりが水面から盛り上がる。


「ひっ!?」


五センチ。


それが、人の頭頂部だと、私には分かってしまった。


十センチ。


青白い額が見える。


ヤ。


弓形の細い眉。


イヤ。


そして――。