-恐怖夜話-


「あ……」


声が出ない。


叫び出したいのに、声が出ない。


ヤ。


イヤ。


首を振りたくても、動かない。


やがて、水面の髪が私の目の前で一つに固まり出した。


すうっと、音もなく一ヶ所に集まる髪の毛。


だんだん、だんだんと、厚みを増していく。


「う……、あっ……」


声にならない悲鳴が喉の奥に張り付く。


でも止まらない。


髪はどんどん厚みを増していく。