-恐怖夜話-



空腹は最上のソースだっていうけど、それを割り引いても石崎家の夕飯はとても美味しかった。


「明日の朝もいらっしゃい」との母上の、ありがたいお誘いに「はい」と笑顔で答えて、私は石崎家を後にした。


おまけに、ご丁寧に部屋の前まで真次くんが送ってくれた。


至れり尽くせりとはこのことだ。


「今日は、ありがとう。本当は腹ぺこだったから、助かっちゃった」


自分の部屋の前。


満腹で機嫌がいい私は、ニコニコ笑顔で真次くんにお礼を言った。


でも彼は、「ああ……」と曖昧に頷いて外をじっと見ている。


眉をひそめ、キュッと口を引き結んだその表情は、決して楽しいモノを見ているふうではない。