-恐怖夜話-



「家鳴り、ですか?」


私には、初めて耳にする単語だった。


「ああ、多分。でも……」


「でも?」


「いや、何でもないよ。そんなに気にしなくても大丈夫。いくら古くても、建物が崩れるなんてことはないからね」


――それはちょっと、笑えないかも。


私は、年季の入ったアパートの外観を思い浮かべて、思わず笑顔が引きつってしまった。